第三十三回 自然と神秘と天川と 後編(地球ではなく“宇宙のへそ”でした)


翌朝は早くに目が覚めて、早朝から向かったのが宿のまん前の【天河神社】。
実はこちらに来て聞いてわかったのですが、どうも“芸能の神様”としても有名らしく、その関係の方々がよくいらっしゃるそうなのです。
そう言えば宝塚の「ハッチさん」も何度かこちらにいらしているそうで、実際に神社の能舞台にたたれた事もあるそうなのです。

そして
この神社では毎朝ご祈祷があるらしく、一般の人でも一緒にお祈りができるということで、特別信仰心が強いとか、祈らずにはいられない状態だったという訳ではないのですが、朝のすがすがしさと、身の引き締まるような空気を吸っているうちに、「芸事をおまつりしている神社とな!これは行って見なくては!」となったのです。

山の雰囲気や周りの景色、そして空気といいなんとなく神秘的な感じの中、始まったのですが、よく舞台公演の前に神主さんがきてお祈りするようなものとは違い、長〜いご祈祷!さすがに子供にはちょっとばかり長〜いひと時だったようですが、最後はお神酒を恭しく頂きました。

粛々と進むお祈り 本日の一般祈祷は4名!


そうしているうちにも、太陽は少しずつ高くなり、山々からさす陽が樹木を通してこれまた綺麗。
久々に陽が射す自然の美しさに見とれてしまいました。

朝一番の陽 神社鳥居に射す陽
境内に射す陽
部屋からの景色も陽


もちろんお祈りの後は、【坪内のイチョウ】呼ばれ、県の天然記念物に指定されているイチョウに直行!
しげしげと見上げた、その枝ぶりの見事さと葉の勢いにまずびっくり。
そして、ちょっと失礼して幹に手を触れると、樹の中から温かさが伝わってくるのにびっくり。

最後は遠目で見てみようと、ちょっと歩いて小高いところから見たその姿にまたまたびっくり。

下から見ても大きい 遠くから見るともっと大きさがわかります


今までいろんな巨樹に会って、なかなか樹から温かさが伝わってくるということは少なく。まさに神秘なイチョウ。また遠目にみても、

やはり村の中でこのイチョウだけが際立って大きく、こんもり丸く飛び出ており、改めてこのイチョウの凄さと、村の中でも大事にされてきた訳がわかってくるのです。


そして神秘といえば、このイチョウの横に立つ石塔。刻まれた不思議な形や、立っている場所と言いなにやら意味があるに違いない!と思いお宿の奥さんに聞いたら、
「ここには不思議な磁場があるそうで、よくいろんな方々がお弟子さんを連れていらして、イチョウの樹の下や石塔の周りで、なにやら修行のようなものやセミナーなどをしていかれるんですよ。国内はもとより海外からもいろいろな方がお越しになっています…」とのこと。
確かにお宿の宿帳には、日本全国どころか、英語や韓国語や“ほにゃらら語”と、いろんな所からここに来ているのが伺われました。
「ふーむ!そんなに立派な、由緒正しいようなところだったとは…」と改めて実感するも、自分にとっては不思議な磁場の力はわからず、もっぱらイチョウに話し掛けておりました。

国の天然記念物でもおかしくない この幹に触れると温かい 枝の勢いが上にぐんぐんと伸びています
そして木の横の石塔 なんだか凄い磁場のある聖なる場所のようでした 井頭さんの裏手にそびえています


朝食が終わる頃には、宿の縁側にも陽が射し、ポカポカとして、マンション住まいでは味わえない気持ち良さを、各々味わっているようでした。

朝から元気に3杯めし お宿の長い塀 縁側から望山々
陽の当たる縁側の使い道 子供は座禅か瞑想か? 母はせっせと顔つくり


この天河神社ですが、正式には【天河大弁財天社】といい厳島、竹生島の弁才天とともに日本三大弁天と称され、また芸能の神様とも言われるのは、古くからこの神社で能舞台が行なわれており、室町時代からの能面や能の衣装等が保管されているそうで、毎年能舞台が行なわれるそうなのです。

そして《地球のへそ》ですが、どうも調べてわかったのは、《地球》ではなく《宇宙のへそ》と呼ばれているそうで(さらにスケールが大きくなった…)、1400年前に、“生命誕生の聖地とされた”そうなのです。
まあ、そのくらい神秘的なスポットとして、昔から有名だったようなのですが、さてさて境内を歩いていると、なにやら大きな石が奉られているのを発見!巫女さんに尋ねたら
「ああこれは隕石とも言われている神石です」との事。これには「おおーっ」という驚きと、「んん〜?」という疑念がごちゃ混ぜになってしまいましたが、とにかく《宇宙のへそ》なのです。
この他にも、こんこん“龍の口”から湧き出るお水。なんかの催しの時に使用するような丸い石畳。そしてたくさん並んだお守りにミニチュアご神体。と、神社に付き物もちゃんとありました。まあ《宇宙のへそ》に来たのだから…と思い、記念にお守りひとつ購入!

鳥居の先の階段が神殿 隕石といわれる神石 神社には鳥居が似合います
こんこんと湧き出るお水 天川の水はやはり美味しい 子供にとっては何でも遊びに早替わり


今回泊まったところは天川村の“坪内”というところで、村のはずれから歩いても、10分少々の小さい村、でも山があって樹があって、川があって(天の川という川です)、水があって、とても素晴らしいところです。
確かに神社も良いのですが、人の手で作られたものよりも、自然の方がはるかに、感動を覚えました。
それと久々に見たのが、“かたつむり”。村中いたるところにいましたが、これも水がよく自然が豊富だからでしょうね。

竹の葉に付いたかたつむり とにかく街中いろんなところで見ました
彼岸花が綺麗でした 坪内のメインストリート?


イチョウに別れを告げ次に向かった先はここより車で20〜30分ほど走ったところの【御手洗渓谷】(オテアライではなくミタライです)。
何でも後醍醐天皇の北条氏征伐の際に、ここで征伐祈願の行をし、そのとき手を洗ったりされたことからこの名がついたそうですが、確かに“行”には格好のというべき雰囲気。
岩間に流れる【天の川】を右手に見ながら山奥深く進むにつれて、つり橋があったり、巨石があったり、滝があったりで、とにかく近畿随一と言われるだけあって、見事な景観の連続!
特に紅葉のシーズンは山が真っ赤な絨毯のようになるらしく、また来ようと誓いながら、細い道を逆戻りし、次に向かうのが天川でも一番の街であり温泉街でもある【洞川】地区。

奥へ奥へと続きます 最初のつり橋 真下には綺麗な天の川
緑が映えるつり橋です でも10人以上渡れません 滝へ続く長い橋


ここ【洞川】地区は、古〜くからある温泉宿が軒を連ね、御宿も「行者の宿○○」とか「修験の宿○○」、または「創業350年」とか「創業500年」等の看板をかかげ、通りを行き交う人の姿も行者さん。さすが修験者と歴史の天川と言った感じ。
そしてその一角になにやら鍋を持ったり、発泡スチロールの箱を手にした人が、何度も出ては入ったりするお店があり、「なんだなんだ…」と近づいてみると、なんと【名水豆腐】というお豆腐やさん。確かに天川は「名水百選」にも選ばれており、お宿のご飯もお水のおかげでとても美味しかったのですが、お店の屋号にしているとは…どれどれ…と店先で頂いたお豆腐\150は、口当たりがよく、確かに美味しい!
あれよあれよともう一杯お代わりをしてしまいましたが、店の奥で売っている大きなエリンギにすかさず目が行き、買って帰れない豆腐の代わりにジャンボなエリンギを買い、ココから車で5分ほどというその“名水百選”を目指すのです。

昔ながらの街並み 昔ながらの?薬屋さんの看板 これも昔からの行者さんたちでしょう
店先で食べれます 名水豆腐は美味かった これが5本くらい入って\300也


街を離れて山へと進むと、道端に急に車と人の影!「何事だ!」と見ていたら、なんとその名水を汲みに来ている人達。
その名も【名水百選ごろごろ水】。水を汲みにきている人もざっと20人ほどはいたでしょうか。その20人がポリタンクやバケツを手にしているのです。しかもひとり1個や2個ではなく5個やら10個やらと手に…。こりゃ飲むだけでも大変!と思い近くのお店でペットボトル入りの“ごろごろ水”を手にいれることにしたのですが、水好きとしては、「山の水を飲んでおきたかったなぁ…」と後ろ髪を惹かれる思いで、大阪へ向ったのです。

車に人にポリタンク! 名水百選ごろごろ水


こうして自然と神秘を満喫した天川に別れを告げたのですが、まだまだ行って見たい所がたくさん!
必ずまた来よう!と思いながら、山から望んだ大阪が特に遠く感じたのは、
「もう少し天川に居たいよ〜」という気持ちからでしょうか…。

遠くに望む大阪は遠く感じました

観る      ☆は満足度★は子連れ安心度
天川村の自然 ☆☆☆☆☆ とにかく素晴らしい天川村!
詳しくは天川村ホームページでどうぞ
天川村総合案内所
0474-63-0999
坪内の「大銀杏」 ☆☆☆☆☆ 圧巻 天河神社の道路をはさんで反対側
天河弁財天 ☆☆☆☆ 《宇宙のへそ》は一度行って見るべし 天河大辨財天社
0747-63-0558
御手洗渓谷 ☆☆☆☆☆ 素晴らしいことこの上なし!紅葉は見てみたい

天川村総合案内所
0474-63-0999

食する
名古屋の「みそ煮込みうどん」
親子みそ煮込み\1,250
☆☆☆☆
★★★
くせになりそうなお味
熱いので注意
山本屋総本家
名古屋市中区栄3-12-19
052-241-5617

洞川の「名水豆腐」 ☆☆☆☆
★★★★
さすが名水!
子供も美味しいと食べておりました
天川村洞川地区
泊まる・休む
道の駅「針TRS」 ☆☆☆☆☆
★★★★
大きくて子供も大人もたくさんでした
もう少し子供が遊べるところがあったら…
奈良県山辺郡都祁村針345番地
0743-82-5633

道の駅「吉野路 黒滝」 ☆☆☆☆☆
★★★★
木を使ったものが多く特色があり良かった
もう少し子供が遊べるところがあったら…
奈良県吉野郡黒滝村長瀬22
0747-62-2456
民宿「井頭」
一泊2食\6500
☆☆☆☆☆
★★★★★
お安く美味しく雰囲気も良い民宿でした
縁側は気持ちよさそうだった…

〒638-0321 
奈良県吉野郡天川村坪内46
TEL:0747-63-0017
温泉「天の川温泉」
入湯料\510
\150
☆☆☆☆
★★★★
星が見えたらよかったのに…
楽しんでいたようで…
奈良県吉野郡天川村坪内
0747-63-0333
買う
道の駅針の「かあちゃんの桃ジャム」
200g\350
☆☆☆☆☆ また桃のシーズンに注文したいくらい
とても美味しかった…
道の駅「針TRS」国道25号
奈良県山辺郡都祁村針345番地
0743-82-5633
道の駅針の「らっきょう」\300 ☆☆☆☆☆ 美味しいラッキョウでした    同 上
道の駅針の「その他地物」 ☆☆☆☆ お安く美味しいものがいっぱいでした    同 上
道の駅黒滝の「寿司型」\1200 ☆☆☆ まだ使っていない… 道の駅「吉野路黒滝」国道309号
奈良県吉野郡黒滝村長瀬22
0747-62-2456
道の駅黒滝の「バターナイフ」\300
☆☆☆☆☆ これはなかなか   同 上
道の駅黒滝の「ひのきパウダー」\500 思ったより匂い無し    同 上
途中のお店の柿 ☆☆☆☆☆ 甘くて美味かった〜 天川村の手前
名水豆腐で買ったエリンギ\300 ☆☆☆☆☆ 安くて美味しかった 洞川地区の中ほどより上
ごろごろ水2g\270 ☆☆☆☆ 美味しい事は美味しいが高いような…
やはり汲んでくれば良かった…
洞川の街を抜けたところ
名水の里
0120-56-5632


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