第三十一回 孤島に流れる“お星さまの贈りもの 後編


ここボラカイは島であり、廻りは海。そして交通手段も船のみとなり、しかも遠浅の海のため、大きな船は近づけず、ほとんどの船が両側にアウトリガーの付いた喫水の浅い木造船なのです。
タクシー代わりに、ダイビングに、サンセットクルージングに、島めぐりにとこの船は大活躍なのですが、ある時ビーチでゴロンとしていたら、なにやら白いモノを船に山積みにした船が着き、数人の男たちが頭にその白いモノを担いでエッサエッサと運び始めたではありませんか!
いったい何?と聞いてみたら、なんと氷を運んでいるよう…。
そうなんです。この島には水は出てはいるものの、観光客が飲めば、お腹がゴロゴロ!ということで、水はミネラルウォーターを購入し、レストランなどで使う氷は、違う島から作って持ってきて、そしてその大量の氷を貯氷庫にて保存するそうなのです。
そんなことだったら、製氷機を買ってミネラルで氷を作れば良いのに…と思うのですが、きっと島には島の事情があるのでしょう!

やしが南の島です これは氷を運んでいるのです

そして、たくさんあるこの船を利用して、島を一周したり無人島に渡る「ボートツアー」というのが結構人気らしく、中編でも述べたように、このお誘いがしつこいくらいやってくるのです。
とにかくいろんな男が1日何回も「ボートツアーニイカナイ?ヤスイヨー」などと寄ってくるのです。
中には同じ男が何度も寄ってくるということもあり、「まったく顔ぐらい覚えられないのか!」と思うくらいなんですが、こんなときは、「既にホテルで予約しているからいいよ!」というと、半分はあきらめますが、中には「ホテルハタカイヨ!」とか「ジャア、ホテルノボートツアーガオワッタラコンドハコッチデドウ?」などと言ってくる奴もいて、なかなか粘りっこい。
ただ、東南アジアやビーチリゾートにありがちな「シャチョーサン」とか「オニイサン」とかいう呼び方ではなく、「トモダチィー・トモダチィー」とやってくるため、ちょっとだけ親近感が沸いてくるのです。

もともと1回は船に乗ろうと思っており、ホテルのツアーに参加しようとしていましたが、この「トモダチィー」の親近感攻撃に負け、最後の日にこの「トモダチィー」の船に乗ることに決定!
まあホテルのツアーですと、一人\2000位ですが、この「トモダチィー」の船は、4時間で親子3人で\2000。
予定の半分以下ですし、更に貸し切りで好きな事をオーダーできるということでしたので、欲張りな我々は、
  @釣りができる!
  A島に渡ってバーベキューが出来る!
  Bシュノーケルもできる!
という3点
をもって交渉成立。

ということで翌朝早朝にまず出かけたのは、地元の人たちの市場のようなところ。
鮮魚から野菜、果物まで思った以上に品数が多く、そして活気があり、ここでうろうろしていても楽しいくらい。
中でも天然の塩は、地物ということで、精製塩よりもはるかに美味しく、あとでお土産用に追加で買った程!今では我が家の美味しい調味料として大活躍中!

お野菜類も豊富でした パン屋さんは驚くほど安い!

で、まずここで、バーベキューのメインディッシュとなる色鮮やかな“パロットフィッシュ”(ぶだいの仲間)を\500で購入!
そして味噌汁にしようとカニ2匹と、いわゆる大正エビの大ぶりなものを数匹を\300くらいでゲット!
あとは釣りの成果にかかわってくるのですが、このエビがとてもオイシイのなんの。
何せここはエビの本場で、いわゆる産直という奴で、またその大きさも大きく、中には手ほどの大きさもあるのです。
そして付け合せの野菜や、フルーツ、飲み物やパンなどをたくさん仕入れて、いざ出航!。

でっかい大正えび 新鮮なかつおもデ〜んとバケツ入り たくさんのフルーツをGET!

朝9時に出発した「トモダチィー」の船が目指すのは、まず釣りのポイント!
久々のボート釣りとあって気合は十分!もちろん竿はマイ竿!道具もマイ道具!と熱がこもる30分勝負!
“松方弘樹大物を釣る!”のようにはいきませんでしたが、船の舳先に陣取り、なんとか30cmの刺身サイズと20cmのバーベキューサイズと15cmのリリースサイズを釣り、マイ竿をわざわざ持ってきたかいがあったというもの!とひとりで満足!

潮風が心地いい いざ勝負!

おかずの魚も釣ったし…と言うことで、ぽっかり浮かぶ可愛い島々を見ながら向かうが、バーベキューの出来る無人島なのです。

海にぽっかり浮かぶ島 さあ目的の島に到着

とは言っても、簡単なテーブルと水場、焼き場などの施設のある島で、既に何組かの観光客らしきグループが、ガイドと一緒に訪れ、ガイドが作るバーベキューを待っているようなのです。
が、我々はちょっと違います。
まず真っ先に向かったのが、調理台。
そしてすぐさまマイ包丁を取り出し、まな板をセットし、まずはブダイの3枚おろし。
そしてマイバーナーに火をつけ、マイ鍋でお湯を沸かしてカニを叩き割り、かに汁作り。
更に釣った魚も刺身にして…と黙々と作業をしているうちに、ふと廻りを見まわすと、何やら現地のガイドとか助手やら観光客らしき人たちの熱い視線が注がれているではないですか!
きっと「ナンダナンダ?」「カワッタ、オトコダナ?」「アノスープヲノミタイモンダ!」などとでも言ってたのでしょうが、そんなことはお構いなしにセッセと刺身にしてゆくのです。

手にもっているのが… こんな大きなブダイで… こんなになっちゃいました
右手に持っていたカニさんも 鍋にてぐつぐつカニ汁となりました 食後はマンゴーよ!

そして出来あがった今日のランチ!
刺身の盛りあわせに、魚とエビのバーベキュー。
そして野菜とカニ汁とフルーツたっぷりなのです…が、あまりの忙しさと美味しさとお腹が空いていた為、なんと写真を撮るのを忘れてしまった!残念…。

お腹も満ちたし、ちょっと散歩でもということで、島を探検!ギラギラ暑い太陽が照りつける中、見渡す海は綺麗に澄んでまさに南国!
腰まで海水に浸かって入った洞窟は神秘の世界!そして洞窟の先に見える海が印象的でした。

海が澄んで綺麗です えいやっと腰まで浸かり
奥はひんやりとした洞窟 洞窟の向こうに見える海が印象的

無人島に別れを告げ、次に向うがシュノーケルのポイント!
昨日潜ったポイントでもあり、またボラカイでももっとも綺麗なポイントということで、魚も多く、ちょっぴりあまった昼のパンを片手に海に入ると、小魚でいっぱい!
よし!ならば“お星さまの贈りもの”も!と思い海を漂うと、「ナンダナンダクイモノカ?」と魚たちも集まってくるのでした。
こんな良い思いは子供にもさせてあげなくては…と思い、海に入れたものの、どうやら初めて体験する波のうねりと高さが怖いらしく、大泣きにないて子供の海中見学は次回に持ち越しとなりました。


すぐさま小魚が寄ってきました お星さまの贈りものもユラユラ 子どもにはうねりが怖かったようで…

こうして朝9時に出航した「トモダチィー」の船は3時ごろに戻ってきたのですが、4時間以上も船に揺られて、果たして我が子は船酔いなどしないだろうか?と思ったもの最初のうち、いっちょ前に船べりを手で押さえ、30分も気持ちよさそうにぐーぐーでした。

彼がトモダチーィのソクラテスさん なんとも船に馴染んでいる 末は漁師か海女さんか?

さてボラカイ島に戻ると待っていたのは案の定島の子供たち。
今日しか遊べないのでと、皆でビーチに繰り出し、そして残りの風船を全部皆に作ってあげるのです。

帰ったらさっそく風船!

しかし海外旅行に行って、これほど買い物をしないのも珍しいくらいで、まあ少しは何かを買おうか?と初めて買い物に行ってみたのですが、やはり安い!
でお店の値段も、安いなりに高めの設定?のようで、やはり値切ることから始まるのです。
でもよーく考えてみたら\300くらいのものを、必死になって\10,\20値切っているという我が姿がなんとも…

島のメインストリート? 見るからにバナナ! お土産も安い!

そして最後の夜くらいはちょっと高そうなお店でリッチな食事を!と思って入ったオープンテラスのイタリアンレストラン。
スープに前菜に、ピザにパスタにと久々のイタメシは、思った以上に美味しく、高そう…と思ったものの3人で\2000くらい…うーん安すぎる。


いかにも南国リゾート風のレストラン なかなかイケルスープでした ピザもパスタもスープも美味し〜!

そんなこんなで、あっと言うまの4日間でしたが、翌朝には綺麗な島とたくさんのお友達に別れをつ告げ島を出発!
来たときと同じように、船で次の島に渡り、そこからプロペラ機でマニラに向うのですが、来たときと違う点がひとつ!
乗っているのは、我々3人と欧米らしき3人以外は皆韓国からの新婚さん!
いやはやただでさえ暑いのになんともまあ…

最後まで見送ってくれました 朝のボラカイも綺麗でした
またいつものバイクに乗り チェックインのほとんどが韓国の新婚さん

もうひとつ驚いたのは、マニラ空港の変わりようです。
以前来た時はとにかく人が多く、混雑してて、その混雑のせいか、荷物の扱いも悪く、係りの者と大声で言い合った覚えがありましたが、今は係員もゆったりとし、ロビーはとても綺麗で、子どもが走り回れるくらい広いのです。
しかしこんなところでも子どもは万国共通なのか、知らないチビッコとまたまた一緒になって走り回っていました。

とにかく広〜い 子どもは万国共通言葉の壁なし! こらこら!

こうして「お星さまの贈りもの」と一緒の、南の島あたたかいふれあいの旅は、思い出いっぱいのまま終わりました。

マニラ国際空港から 一気に成田まで

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